1.石けんの分類
2.製造番号の意味
3.界面活性レシオ(SAA)の意味
4.材料による違い
5.パッケージング
6.石けんの大きさ


1.石けんの分類

 もくせい舎の石けんは植物性と動物性に大別できます。傾向として植物性のものは柔らかく軽い泡立ちで、動物性の石けんは固くクリーミーで傷みにくい傾向があります。「その他」にはどちらもありますので、詳しくはページの紹介をご覧ください。


 当舎では最初に「基本のマルセイユ石けん」の制作から始め、順次バリエーションを増やしていった経緯があります。上表では動物性石けんの源流はパルマ・クリスティですが、実は佐和山の方が先に作られています。植物性の石けんはココナッツ油とパーム油の配合比で最初のマルセイユ石けんの影響を残したものになっています。おじゃるシャンプーは最後のため、双方の影響を受けています。なお、名前が同じであれば製品番号が異なっていても同じ配合です。


2.製造番号の意味

 石けんには製造年月日に応じて各々製品番号が振られています。石けんは時間が経つほど熟成が進みますので、同じ配合でも熟成の進んだ石けんは刺激が少なくマイルドなものになります。また、製造ごとに改良を加えていますので、番号が新しいほどユーザーの声を受けて改良され、より使いやすい石けんになっています。前者は自然の力、後者は当舎の創意工夫でバランスが大事です。



3.界面活性レシオ(SAA)の意味

 特殊な製品を除き、全ての石けんには「界面活性レシオ(SAA)」の数字が記載されています。これは一定の温度(30℃)での洗浄作用を表す理論値で、実際の洗浄力を表すものではありませんが、石けん選びの参考として提供しています。

 化粧落としなど、女性の場合・・・SAA90以上
 肌の弱い女性、男性など・・・SAA80〜90程度
 洗髪、体洗いなど汎用一般・・・SAA70〜80
 
 数値に出ない要素で使い勝手に差が出る場合もあります。パルマ・クリスティはSAA75
(普通)ですが、配合されているひまし油が人によっては刺激があります。また、数値が低いほど性能が低いということもありません。パルマは豊かな泡立ちで洗い心地が良く、当舎最上の製品の一つです。


4.材料による違い

 石けんには様々な材料を用いますが、主なものは以下の通りです。

<油脂類>
@オリーブ油
 植物性石けんの材料として最も良く使われます。泡立ちは穏やかですが、キメが細かくマイルドに仕上がります。
Aココナッツ油
 泡立ちの良い石けんを作るのに使います。20%以上配合した石けんは海水でも泡立ちますが、持続性は良くなく、やや刺激があります。
Bパーム油
 石けんに硬さを出すために配合します。他にこれといったメリットはありませんが、ココナッツ油と併せ主要な石けん材料です。
Cごま油
 独特の香りがあり、軽い泡立ちになります。含まれるセサミンに強い抗酸化性があるため傷みにくく、良く熟成した石けんは滑らかな使い心地です。
Dグレープシード油、なたね油(キャノーラ)
 使い心地の良い石けんになりますが、リノール酸を多く含み、痛みやすいのが欠点です。
E豚脂、牛脂
 硬い石けんに仕上がります。石けんとしては万能型ですが、動物性油脂ということで好みが分かれます。けん化も植物性より難しく、中級者以上向けの脂です。

<アルカリ>
@水酸化ナトリウム
 強い塩基性で油脂から脂肪酸を引き離し、石けんを生成します。石けん作りには30%程度の濃度の水溶液を用いますが、毒劇物のため取扱いには細心の注意を要します。
A水酸化カリウム
 水酸化ナトリウム同様の毒劇物ですが、溶解性に富み、液体石けんや柔らかくマイルドな石けんを作る時に用います。
B炭酸ナトリウム、カリウム
 いわゆる海藻・草木灰(バリラ)です。作用は弱いですが、昔からあるアルカリです。

<添加オイル>
 けん化した石けんに加え、高級感を出すために用います。非けん化オイルとも言います。オリーブオイル、ホホバオイルが典型的ですが、直接肌に触れる油のため、石けん用よりさらに高質な生食用や化粧品グレード以上の油を用います。


5.パッケージング

 石けんは調製後、最低でも2ヶ月以上は自然条件で熟成させますが、以降は当舎の判断で真空パックしてお渡しすることがあります。このタイプの石けんはそのままですと変色したり、含まれている油が染み出すことがありますので、開封後はお早めにお使いください。もちろん、これまでの実績からパックしなくても問題のない製品もあり、それらは紙包装でお渡ししています。


6.石けんの大きさ

 もくせい舎の石けんは、小型のもので幅7cm、高さ4センチ、厚さ2cm、 スタンダードサイズで幅8cm、高さ5cm、厚さ2cmになります。大きさは概算となります。
 また、試作サイズとして幅6cm、高さ5cm、厚さ2cmほどのものがあります。
 当舎の石けんは小型サイズが中心ですが、製造技術が向上しているため、順次スタンダードサイズに切り替えていきます。









※写真説明:ミディ社のマルセイユ石けんとマルシェボンの石けんは厚さを2分の1にカットしています。
(入浴テストを実施するため)



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