石けんの作り方

 1.油を選択し、灰を調製します。


 「けん化価」を計算します。けん化価は油1gに対する水酸化カリウムの量で、水酸化ナトリウムはその6割ほどです。確実にけん化させるため、概ね必要量の80〜90%で調製します。



<物販担当の一言>
 もくせい舎の灰は独特の味わいを出すため、水酸化ナトリウムのほか、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどを用いています。そのため、けん化価の計算は普通より複雑です。


2.テンパリング

 
 油と予め水に溶かしたアルカリ溶液を調温して混ぜ合わせます。20分以上撹拌し、油の表面に「トレース」が出るまでかき混ぜます。




<物販担当の一言>
 油とアルカリが反応して石けんになる化学変化は概ね30〜40℃付近で最も活発です。生成した石けんが一定の濃度になり、型入れが可能になるまでの時間は配合によりまちまちです。


3.型入れ

 
 生成された石けんを含む溶液を型に流し込みます。





<物販担当の一言>
 かき混ぜた油と水が分離しないのは、反応によって生成された石けんが油の分子を包み込み「乳化」しているためです。型入れした石けんは丸一日〜数日で硬化しますが、型出しの判断は天候に左右されます。型出しまで保温箱に入れ、急激な温度変化を抑えます。


4.熟成
 
 型出しした石けんを当舎規定の期間、風通しの良い場所に静置します。その間にテストも行います。





<物販担当の一言>
 石けんの切り分けは型出し直後に行うこともありますが、配合により数日〜1ヶ月後に行うこともあります。テストは10日目にアルカリ残留の確認、1ヶ月後の2回目では入浴してテストを行います。3回目のテストは売出しの直前に2回目と同じ方法で行います。


 5.磨き、包装

 石けんの表面から粗い部分を削り取り、和紙で包装して完成です。



<物販担当の一言>
 熟成中の石けんの表面は浸出したアルカリが白く皮膜化したり、型出しの際の紙の表面粗さでザラザラしていたり、紫外線により黄ばんだりしています。これらは使い勝手に影響のあるものではありませんが、当舎では取り除くこととしています。




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